ベトナム語の日常会話で、必ずと言っていいほど耳にする「thì」という言葉。文と文をつなぐ「接続詞」として使われたり、話し手の気持ちを強調する「マーカー」として使われたりと、その役割は多岐にわたります。本課では、会話のリズムを作るために欠かせない「thì」の主要な4つの使い方を解説します。
用法①:条件・仮定の結果 (=〜なら、〜すれば)
【解説】最も基本的な使い方は、「もし〜なら、その時は…」と結果を導く接続詞としての役割です。「Nếu(もし)…」や「Hễ(〜するといつも)…」と一緒にセットで使われることが非常に多いです。
例文:
① Nếu trời mưa thì tôi sẽ ở nhà.
→ もし雨が降ったら、私は家にいます。
② Hễ rảnh thì anh ấy lại chơi game.
→ 彼は暇になると(いつも)、ゲームをします。
③ Mắc quá thì đừng mua.
→ (もし)高すぎるなら、買わないでください。
※会話では「Nếu」が省略され、「〜thì…」だけで「〜なら…」という意味を表すこともよくあります。
用法②:主題の提示・対比 (=〜はというと)
【解説】主語や話題の後ろに「thì」を置くことで、「そのことについて言うならば」と話題を取り上げたり、他と比較して強調したりする働きがあります。日本語の「〜は」を強調したニュアンスに近いです。
例文:
④ Tôi thích cà phê, còn anh ấy thì thích trà.
→ 私はコーヒーが好きですが、彼は(というと)お茶が好きです。
⑤ Món này ngon nhưng giá thì hơi đắt.
→ この料理はおいしいですが、値段は(というと)少し高いです。
⑥ Việc đó thì tôi không biết.
→ その件については、私は知りません。
用法③:時間の強調 (=〜になると)
【解説】時間の言葉の後ろに「thì」を置くことで、その時間を区切りとして強調し、文のリズムを整えます。「〜になったら」「〜の時には」というニュアンスを含みます。
⑦ Ngày mai thì tôi bận rồi.
→ 明日は(というと)、もう忙しいんです。
⑧ 10 năm trước thì ở đây chưa có gì cả.
→ 10年前は、ここには何もありませんでした。
⑨ Bao giờ xong việc thì gọi cho tôi nhé.
→ 仕事が終わったら(いつ終わっても)、私に電話してくださいね。
用法④:列挙・羅列 (=Aは〜、Bは〜)
【解説】複数の事柄を並べて説明するときに、「A thì…, B thì…」という形で使い、リズムよく状況を説明します。
⑩ Cái này thì to, cái kia thì nhỏ.
→ これは大きくて、あれは小さい。
⑪ Người thì đông, xe thì nhiều.
→ 人は大勢いて、車も多い(=とても混雑している)。
ポイント
「thì」は文法的な役割だけでなく、会話の間(ま)を作るためにも使われます。特に長い主語の後や、強調したい言葉の後に置くことで、相手に「これから説明しますよ」という合図を送ることができます。
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